top of page
執筆者の写真今住 誉文

地方公務員の「キャリアデザイン研修」講師登壇を終え・・・


■制度変更の発令令和4年、総務局人事部より発令された「60歳以降の職員に適用される各種制度」の変更によって、職場内には大きなざわめきが起こったことでしょう。定年の引き上げについては「高年齢者雇用安定法」と同様、65歳になりました(段階的に引き上げられて令和13年で65歳)。60歳になると役職定年で管理監督職の人は降任。給料は60歳時点の70%にダウン。その他もろもろ・・・・・これらの制度変更によって定年まで働くのか、一度退職してから定年前再任用短時間勤務職員になるのか、それとも完全に退職するのか、、、働き方の選択肢が出来たというプラスの捉え方もできるでしょう。


■公務員の意識改革前述の制度変更前後から、多くの自治体で将来の働き方について考える研修が実施されるようになりました。研修受講前の個別キャリア相談にも積極的に参加する人が増えています。その面談を通じて、従来には無かった意識改革が始まっていることを強く感じます。与えられた仕事をこなしていればよかった働き方から、自ら仕事を選択していけるような働き方をしていきたいということです。組織内ではなく、一般で開催される研修・セミナーに参加するなどして、新しい感覚を身に付けているようです。参考になる図書の読み込みも積極的に行っている様子。研修などのベースには「自己理解」というテーマがあって、自分を知り尽くす、過去をあぶり出す、そういった作業の中で封印していたものが蘇ってくるのでしょう。働かされる感覚からの脱皮と言うか、働かされながらも封印してきたことを開封し始めているようなイメージです。


■自己理解の凄さを知る「言うは易く行うは難し」、まさに自己理解を表現していることわざだと思います。ここで少し私が登壇時によく使っているフレーズをご紹介します。

自己理解ってどういうこと?自己理解することによって人のことが理解できるようになる。自分を知ることで相手のことも知ることができる。自分をよく知れば知るほど相手のこともよく分かるようになる。つまり、自己理解を深めた分だけ、周りとの関係が良くなっていくことに繋がる。出来事の捉え方も変わり、今までとは違う新しい発見や出会いに繋がっていく。自己理解って本当に凄いことである。でも、自己理解は、頭の中で考えているだけでは出来ない。何かをテーマにして、振り返ってみなければならない。それを文字にして眺めて、やっと見えてくる。これが自己理解への第一歩。・・・・・と、まぁ、こんなくだりでお伝えしているのですが・・・・・

こんな感覚で自分のキャリアライフを振り返ってみることで封印していたことが蘇り、学び直してみたり新しいキャリアの選択肢を立ち上げていこうとする意欲が生まれてくるのでしょう。


■今の仕事にどう向き合っていくか解せない人事、解せない評価、理不尽な上司、理不尽なことずくしとは言いませんが、外的キャリアを重視してきた我々にとっては、不都合な出来事だらけですよね。個別面談で最も多く耳にする内容です。他人との比較や競い合いからこういった不満が出てくるのは仕方ないことだと思います。自己理解を深めて、他人と比べない、競い合わない。自分が納得して腕を磨き続けたくなる。そんな内的キャリアを重視することで、今の仕事、現職の景色がガラッと変わってしまう。この内的キャリアが隠れているが外の世界かもしれません。外の世界に意識を向けてみて自分のフィールドを持つことによって、職場環境が今までとは違ったものに感じられると面白いですね。


■現職の市長が執筆した本「地方公務員の新しいキャリアデザイン ワーク」  ライフ、コミュニティ、セルフのブレンド・・・小紫 雅史 氏著公務員の副業解禁、従来の公務員試験廃止、基礎自治体では応募者数日本一といったニュースで話題の生駒市。その仕掛け人であり、自治体のトップランナーとして先端をひた走る生駒市長が、最新の自治体政策をふまえつつ「公務員の未来」を大胆予測しています。

外の世界と繋がっていく事の価値と楽しさを実感できる内容だと思います。これまでの考え方を一旦リセットして素直な気持ちになって読んでみると大きな発見があるかもしれません。


■民間企業に勝るとも劣らぬ公務員のスキルこの12年間、独立していろんな組織を見てきました。勿論、公務員組織を含めての話しです。民間企業に於いては1986年以降、高齢者雇用安定法の改正が続けられ(直近2021年改正)、働き続けていく事の意識づけが公務員よりも早くから行われてきました。確かに公務員に比べると転職・再就職に於いて、テクニカル的にも民間出身者が一歩、二歩、リードしていたような気がします。しかし、ここ数年の公務員の動きを見ているとどうでしょう。物凄い勢いでリスキリング、キャリアアップを図り始めている人がいることに驚かされています。◉厚労省の「キャリア形成リスキリング推進事業」◉経産省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」

私もこの二つの事業に関わる仕事をしていますが、こういった事業の立ち上げを実施している国家・地方公務員らが自身のこれからのキャリアを考えないはずはありませんよね。もともと学ぶのが好きで、いろんな部署を定期に経験して、その部署が変わるごとに膨大な資料を読み込み理解してきた職員たちです。地域密着で現場を知り尽くしてきた技能職員たちもいます。公務員の意識改革によるアクションによって、今までとは違った労働市場、つまり、世の中の労働市場は公務員スキルを求めるのではないでしょうか。


■今年度のキャリア講師活動今年度末まで各地方公務員のキャリアデザイン、特にセカンドキャリアを意識した中高年(50歳以上)を対象とした研修がたくさん予定されています。私自身が来年60歳を迎え、本番のワークライフキャリアが始まることにワクワクしながら準備する毎日です。ひとそれぞれが違った環境の中で自分ならではのキャリアライフを選択していけるように支援していきたいと考えています。


■最後に・・・昨日、公開された私のインタビュー記事をご紹介させて頂きます。キャリアコンサルタントとしての活動に興味ある方も是非参考にされてください。   https://www.brush-up.jp/guide/sc528/zukan_03



閲覧数:0回0件のコメント

Comments


bottom of page