「公務員定年延長時代のモチベーションをどう育むか」・・・50歳代職員向けセミナー講師としての私の工夫・・・
- 今住 誉文
- 8月19日
- 読了時間: 2分

地方公務員における定年が65歳へと引き上げられる流れの中で、大きな組織課題となっているのが「60歳到達後の役職降格や給与ダウンに直面する職員のモチベーション維持」です。特に、長年組織を支えてきたベテラン職員にとって、この変化は心理的な影響が大きく、組織としても個人としても乗り越えるべき壁となっています。
私は現在、50歳以上の職員を対象としたセミナーを担当しており、その中で「いかに意欲を再び引き出すか」という点に力を入れています。以下に、私自身が大切にしている工夫をいくつかご紹介します。
1. 「役職」ではなく「役割」への意識転換
降格や給与減は避けられない制度的な流れですが、その中で新たに見出すべきは「役職の有無を超えた役割の価値」です。私は研修の中で、組織や後輩に対して果たせる“知恵や経験の橋渡し”こそが、ベテラン世代にしかできない貢献であることを強調しています。
2. キャリアの「棚卸し」と「リフレーミング」
長いキャリアを振り返り、自分が培ってきた強みや実績を言葉にする作業を取り入れています。これにより、過去の歩みを「終わり」ではなく「これから活かす財産」として再定義できるようになります。
3. 「これからの働き方の選択肢」を描く
人生100年時代、60歳からは“セカンドキャリアのスタート”とも言えます。組織内での役割に加えて、地域活動や専門性を生かした新しい挑戦をどう展開できるか、一緒に考えるワークを取り入れています。
4. モチベーションの源泉を「個人」から「共生」へ
自分自身の昇進や給与だけでなく、「後輩を育てる喜び」「地域に還元する使命感」といった“共生の視点”を見出すことが、意欲を再燃させる力になります。そのきっかけを提供できるよう、研修では実際の体験や交流を重視しています。
このように、私は制度対応のための研修ではなく、「新しいキャリア観を育む場」としてセミナーを設計しています。役職や給与の変化に左右されず、むしろ“これからが本番”と感じられるようにすること――それが私の講師としての使命だと考えています。





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